旅支度の話
現代版組踊「琉球エレジー」の脚本が金魯弦の手で、仕上がったのは
忘れもしない、2006年6月6日のことであった。
それから、本格的な練習が始まったのは11月
僕は、現代版組踊「琉球エレジー」の制作・演出にあたり、
参考に様々な沖縄関係の本を読んだ。
例えば、
金城哲夫さんの沖縄芝居の脚本集
役者 真喜志康忠さんの自伝
民謡の登川誠仁さん、知名定夫さんの自伝
琉歌についての本や、あの上原直彦さんのエッセー
果ては、沖縄芝居や組踊りのマンガまで、
いろいろ読んだ。
そして、民謡もいろいろ聴いた。
嘉手苅林助さん 登川誠仁さん 嘉手苅林昌さん、八重山・宮古民謡
と、いろいろ読んだり、聴いたりしながら、舞台のイメージを膨らまして、
旅支度をしていた。
その中で、痛感したのは、沖縄の芸能の奥深さと、その複雑に絡み合った個性であった。
そして、沖縄の芸能という船が絶えず、時代の風に吹かれて、
沖縄の風土や文化という海を進んできたのを感じた。
僕はその船を漕いでいる、島人たちに想いをはせるのである。
きっとその船は、これからも時代の風に吹かれながら
はるかミライへと旅を続けるのだろう。
そんな事を考えながら、
僕は現代版組踊「琉球エレジー」という船に乗って
大海原に漕ぎ出す日を待っていた。